「絵なんて見るヒマない。」
言わずもがな、現実は厳しいわけで。
昼からのお風呂をどうするかとか、
急なシフト変更で休日が減ったとか、
誰かが急に来なくなったとか。
そんな"上手くいかない状況"に心が疲れ切ってしまう時が殆ど。
ニュースでは、人材不足や物価高などこの国の行く末を憂う報道ばかり。
「笑えるわけない。」、「一般業務がキツイのに、レクまで考える余裕なんて無い。」等々
そんな意見や発言をよく耳にします。
これが忖度抜きでリアルな世論だと思います。
それでもこの企画をやって間違いなく良かったことがあります。
それは、「とりあえずやった。」という事です。
コスパやコンプライアンスに厳しいこのご時世、やってみないとわからない事をやらせてくれるのは
大変ありがたいことです。
入居者様にも言える事で、75歳以上になってから藝大生や美大生でも難しいであろう
ドラクロワやクリムトの模倣画を描いたり、展示するなんて、まずあり得ない。
「分らんけどやってみた。」
「なんかよくわかんないけど、やってみたら楽しかった。」
「あーだこーだ言う前に、手を動かしてみて良かった。」
そう思ってもらえたら、この企画は成功です。
たった一度でいい。本当に魂が震えるほどの喜びを味わったのなら
その人生は生きるに値する。 (ニーチェ『ツァラトゥストラ』より)
改めて今回の企画『パレット大贋作展』に、協力してくださったり、最後まで優しく見守ってくださったスタッフ
並びに関係各所の皆様、本当にありがとうございました。
周りの人々のおかげですが、何か新しい事に挑戦できる環境でとても幸運です。
この3階の展示スペースが利用者様や働いているスタッフの皆様
来所されたご家族様、ホームページをご覧になっている方々にとって
少しでもホッと出来る空間になっていれば幸いです。
これからも良いレクリエーションや企画を行っていきます。
今後もパレット、ぜひご期待ください!